第4回 極端宇宙天気研究会 開催のお知らせ
第261回 生存圏シンポジウム
平成26年度 国立極地研究所 研究集会
平成26年度 STE現象解析ワークショップ
「第4回極端宇宙天気研究会」
日時:2014年10月9日(木) - 10日(金)
場所:国立極地研究所 3階会議室(C301)
URL: http://www.nipr.ac.jp/outline/summary/access.html
研究会の概要:
本研究集会では、太陽圏・磁気圏・電離圏の研究者が集まり、極端な宇宙嵐は我々が現在獲得している
枠組みの線形的延長として理解できるか、物理的要因によって決まる上限や下限はあるのか、人類活動への
影響はあるのか、などの問いに答えるべく、極端な宇宙天気を研究するための方法論を求め、さらには
恒星磁気活動と系外惑星の関係を通して、太陽地球系物理の理解を深めることを目指します。
研究会世話人:
塩田大幸(名古屋大学太陽地球環境研究所)
桂華邦裕(名古屋大学太陽地球環境研究所)
片岡龍峰(国立極地研究所)
海老原祐輔(京都大学生存圏研究所)
西谷望(名古屋大学太陽地球環境研究所)
亘慎一(情報通信研究機構)
阿部修司(九州大学)
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研究会プログラム:
10月9日(木)
13:00 - 14:40
初めに(10)
第1部 STE現象解析ワークショップ
藤田茂(気象大学校)[招待講演]
「日本周辺域での地磁気誘導電場の数値計算」(30)
浅井歩(京都大学)[招待講演]
「2012年7月19日、23日のフレアと活動領域NOAA 11520の太陽面での様子」(30)
塩田大幸(名古屋大学)
「2012年7月23日に発生した巨大コロナ質量放出について」(30)
休憩(20)
15:00 - 16:00
第2部 生存圏シンポジウム
中野慎也(統計数理研究所)[招待講演]
「Dst指数の下限」(30)
桂華邦裕(名古屋大学)
「巨大コロナ質量放出イベントに対する磁気圏の応答と磁気嵐の時間発展」(30)
休憩(20)
16:20 - 17:20
田中高史(九州大学)
「サブストームと磁気嵐の違い」(30)
岩木美延(九州大学)
「磁場のない太陽風による地球磁気圏応答」(30)
懇親会 18:30 ‐
中華料理屋「瑞京」
10月10日(金)
9:00 - 10:00
柴山拓也(名古屋大学)
「Kepler望遠鏡全データを用いたスーパーフレア統計解析」(30)
柴田一成(京都大学)
「スーパーフレアが起きたら地球はどうなるか? - CMEの質量と速度の予測」(30)
休憩(20)
10:20 - 12:00
第3部 国立極地研究所 研究集会
高橋卓也(京都大学)
「スーパーフレアが起きたら地球はどうなるか? - 高エネルギー粒子の影響の予測 」(30)
渡邉堯(名古屋大学)
「2012年7月23日イベントにおける高エネルギー粒子の振舞い(極端現象?)」(30)
片岡龍峰(国立極地研究所)
「Radiation dose of aircrews during a solar proton event
without ground-level enhancement」(20)
中川裕美(茨城大学)
「航空機被ばくの危険性と太陽活動との相関」(20)
昼休み(60)
13:00 - 14:00
亘 慎一(情報通信研究機構)
「宇宙天気現象と太陽活動サイクルのフェーズについて」(30)
早川尚志(京都大学)
「古代中国語文献に見える極端宇宙天気の痕跡について」(30)
休憩(20)
14:20 - 15:50
鳥海森(国立天文台)
「磁束浮上・活動領域の形成と太陽フレア発生について」(30)
高棹真介(京都大学)[招待講演]
「大フレアを起こしやすい活動領域に関する理論的・観測的考察」(30)
まとめと議論(30)
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過去のお知らせ:
参加・講演 申し込み:
http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/spaceweather2014/
( 申し込み締め切り:2014年9月17日(水) )
特に今回は、実際に発生した2012年7月23日の極端イベントに焦点を当てながら、下記テーマについて
議論できる場を設けます。
・極端に大規模な太陽嵐が発生するメカニズム
・極端イベントによる地上を含めた地球電磁気圏システムへもたらされる電磁場擾乱
・巨大太陽嵐の発生と太陽全体の活動度の低下の関係
・グランドミニマムとその長期的な地球環境へのインパクト
2012年のイベントに限らず、他の極端イベントの解析や、初期結果の紹介も歓迎致します。
学生や若手のみなさんの参加も歓迎致します。みなさまの積極的なご応募をお待ちしております。
問い合わせ先:塩田大幸
背景:
1859 年に発生した史上最大の宇宙嵐(キャリントンイベント)では、1000nT/hを超える地磁場変動が
発生し、全地球規模でオーロラが観測されました。このような数百年に一度発生し得る極端な宇宙嵐・
太陽嵐がもし現代に発生した場合、高度科学技術に強く依存する社会への損害は計り知れません。
また太陽嵐による電磁場擾乱・放射線は、磁力線に沿って地上の南北極域の上層大気にも影響を及ぼし
ます。日本においても、経済産業省が地震や噴火などの極端自然災害に対する電力システムの信頼性の
検討を行っており、太陽フレアによる地磁気嵐も検討項目の一つになっています。
一方、近年の傾向としては太陽活動度が徐々に下がりつつあり、第24サイクルは、近代的な観測が
始まって以来最も低調な極大を迎えようとしています。今後10年太陽活動の低下が続いた場合、極端に
太陽活動度の低いグランドミニマム期に入る可能性もあり、太陽活動の低下に伴う気候変動の解明
にとっても重要な時期と考えられ、南極地域観測の重要課題にも取り上げられています。
こういった太陽活動が低下する状況にもかかわらず、2012年7月23日には、非常に強大な太陽嵐が
発生しました。この現象は幸いにも地球とは反対側の太陽面で発生したため、地球圏への影響はほぼ
ありませんでしたが、もし地球の真正面で発生していた場合、キャリントンイベント規模の磁気嵐が地球を
襲っていた可能性がありました。